2008.03.23
下山事件―最後の証言
![]() | 下山事件―最後の証言 柴田 哲孝 祥伝社 2005-07 by G-Tools |
「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない…」祖父の二三回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。昭和二四年(一九四九)七月五日、初代国鉄総裁の下山定則が三越本店で失踪。翌六日未明、足立区五反野の常磐線上で轢死体となって発見された。戦後史最大のミステリー「下山事件」である。陸軍の特務機関員だった祖父は、戦中戦後、「亜細亜産業」に在籍していた。かねてからGHQのキャノン機関との関係が噂されていた謎の組織である。祖父は何者だったのか。そして亜細亜産業とは。親族、さらに組織の総帥へのインタビューを通し、初めて明らかになる事件の真相。
*******************************
下山事件と言えば、松川事件・三鷹事件とセットで、学生時代にちらっと習い聞いたような…という程度の知識しかなかったが、読み始めたら面白いのなんの。一見分厚そうな本だが、一気に読めてしまう。事件についても知識も一から分かりやすく学べるので、初心者にもおすすめ。
著者は、この事件を単独で考えるのではなく、当時の時代背景の中で、松川・三鷹事件や海烈号事件といった他の事件・事象などと組み合わせて考えてゆくことが大事だという。その言葉通り、本作では731部隊まで登場し、戦前・戦中、そして戦後へ続く日本の闇を垣間見せてくれる。
また、この本が面白いのは、著者の祖父がこの事件に関わっているのでは…という疑問を著者が追っていくこと。自分のルーツを辿り、祖先の歴史を紐解いてゆく行為と、事件の謎を解き明かしてゆく行為が密接に絡まりあって、この本をとても面白い物にしていると思う。
ただ、最後の最後に伏字があるのは残念。いつかこの本が伏字なしで読める日は来るのだろうか。
この記事へのトラックバックURL
http://readinghistory.blog18.fc2.com/tb.php/407-9316977c
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント
| HOME |

